育児とweb学会

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新型コロナウイルスの影響で企業や学校でのオンライン導入が進みましたが、医師の世界でも同様で一部のカンファレンスや学会がweb開催されるようになりました。

2021年上半期web開催またはハイブリッド開催(web+オフライン)される主な学会(総会)(2021/3/4調査時点。ただし学会参加予定など正確な情報が必要な方はご自身での確認をお願いします。)

  • 日本内科学会総会
  • 日本外科学会定期学術集会
  • 日本小児科学会学術集会
  • 日本産婦人科学会学術講演会
  • 日本病理学会総会
  • 日本リウマチ学会総会・学術集会
  • 日本内分泌学会学術総会
  • 日本消化器病学会総会
  • 日本医学放射線学会総会
  • 日本呼吸器学会学術講演会
  • 日本眼科学会総会
  • 日本形成外科学会総会・学術集会
  • 日本整形外科学会学術総会
  • 日本麻酔科学会

調べられる範囲では今年の上半期では多数の総会が今回はオンラインを導入して学会開催をする予定のようです。

育児中は宿泊を要する学会というのは非常に大きな負担がかかります。
子供を連れての慣れない場所への長時間の移動(行く時点で疲労困憊)、宿泊という環境変化(子連れ対応の宿泊施設に限定される、そしてなかなか寝ない。)、子供用の食事はどうするか1日3食分×宿泊、そしてその費用、体力、宿泊中は母子同室状態で学会後におちついて「さぁ復習だ!」なんて出来ません。
学会では最近子供の預かりを行っているところがあり、大変ありがたいサービスです。各学会を調べた中には預かりサービスを行わないとしているところもあり(web開催するかは記載なし)、もし「現地開催のみ+託児サービスなし」の場合は自分で不慣れな土地での託児所探しを行わなければならず…しかも、もともと少ないうえに最近は一時預かりをしてくれる保育園も新型コロナウイルス流行に伴いサービスを停止しているところがあります。会場や宿泊先の近くに託児可能な場所があればいいですが、預けられるところが見つからない場合はやむをえず参加を辞退することもあるでしょう。

こういった事情からWEB開催はオフラインでのハイブリッド開催で良いので少なくともキャリア継続や専門分野の情報更新、モチベーション継続のためにも今後も続けて欲しいと考えています。
育児中の女医仲間からもWEB開催継続の声は多いです。既に上記のオンライン開催を提言している学会に関してはそのメリットを記載しているところもあり、今後も継続される可能性が高そうです。

育児と医師のキャリア継続

今後育児をしながら仕事を続ける医師は増えてくると思います。特にこの1,2年で医学部入試における女性差別問題が浮き彫りになったことで、医学部の女子合格率が上昇しています(文部科学省「医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る調査」)。これに続いて女性医師が増えてくることが予測されます。更に男性の育児参加も叫ばれ、実際に育児をする男性も増えてきている感覚があります。昔とは価値観が大きく変化してきています。

女性、育児支援を掲げている学会や病院が増えているものの、実際に育児をしている側からみると「利用しづらい」部分がまだまだあり、さらに時には育児支援と言いつつも医師には適用されていなかったりと不十分なところもあります。
専門医維持に必須となる学会参加も含め今後「育児×キャリア継続」というのは今まで以上に重要な課題となっていくと思われます。

(手伝い程度ではなく)育児をしたことのある医師の声も拾い、本当に有用なサポートの体制構築が出来ている診療科、病院は選ばれやすく、人気のある科、病院になると思われます。
もちろんそれに伴い他の医師への負担が増大する場合、不公平感が出てくる可能性があるため、並行して過剰負担とならないようなシステム構築、そもそもの業務負担の見直し、プラスで働く分のインセンティブや特別休暇はどうするかなど新しい制度や調整が必要になる思われ、かなり大変だと思いますが、、、、すべての不満、不便を解消することは難しいものの、少なくとも現状の改善は必要と思われます。

 

まとめ
育児中は学会へ出向くだけでも大きな負担がかかる。
今後もweb学会やハイブリッド開催の継続により、育児中の医師でも参加しやすくなる。
有用な育児支援の拡充、それに平行して医師全体の職場環境・業務負担改善が望まれる。
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