診断専門医試験対策用の本①*非公式*

こんにちは、「らじまま」です。

今回は診断専門医試験におすすめの本を紹介していきます。

各分野の分厚い成書のような本であればなんでも載っているんですが、重いし、数は多いし使い勝手は悪いですよね。ここでは出来るだけ使いやすかった本を紹介させて頂こうと思います。

また、近年ではKEY BOOKシリーズの新刊や別の新シリーズ本、改訂本などが続々と出版されており、画像・説明ともに分かりやすい内容になってきています

例えばメジカルビュー社から出版されている、勘所シリーズの新たな「画像診断の勘ドコロneo」やIVRのすべて」など続々と登場しています。

新しい本については検証が難しいため現在のところは掲載していませんので、ご了承ください。

*あくまで”個人的におすすめ”の本の紹介ですので、本を購入するかといったことはご自身の判断でお願いします。

*買ったのに「分かりにくかったじゃないか!」とか「試験に有用じゃなかったじゃないか!」などの訴えについては責任を負いかねます。。。

*「これが使いやすかった!」といったご意見あればお問い合わせフォームからご連絡いただけると助かります。

今後も内容を訂正、更新していく可能性がありますのでご了承ください。

2015-2020年筆記試験をベースにしたおすすめ本を紹介しています。

出題されているすべての問題に対応できる本を網羅しているわけではないのでご了承ください。

基礎以外の分野の本を紹介します

全般

画像診断パワフルガイド

全身の画像診断を網羅している本です。試験勉強には「辞書」のような感じで使わせていただきました。この本をベースに各分野の本と合わせると勉強しやすかったです。

各疾患が1-2ページほどにまとめられています。

本の構成は以下のようになっています。

1.病態・病理

疾患の説明だけでなく、好発年齢部位合併する全身性疾患症候群についてもまとめられています。

2.画像所見

CTMRIのほかにも核医学血管造影などの所見についてもまとめられています。また、画像の特徴となる「サイン」も掲載されており、よくまとまっていると思います。

3.「memo」、「Power up」

プラスアルファの知識が記載されています。例えば「硬膜下血腫」の項目では「硬膜下水腫」について記載されています。

*全身の疾患がまとめて掲載されている、重要な点が要約されているのでお勧めです。ただ、「シェーマが少ない」、「試験対策としては掲載画像や説明が物足りないことがある」、「小児科は弱い」、「核医学の画像はごく一部」といったところはあるので、それぞれの分野をまとめた本と併用して使うのがオススメです。

核医学

わかりやすい核医学

タイトルの通り、説明文が分かりやすく、核医学専門医を目指していない人にも理解しやすい内容となっています。

一つの項目に対して説明がしっかりある分、網羅はされていないところもあるので核医学ノートと併用するのがおすすめです。

核医学ノート

核医学分野における網羅系の本です。

第5版が出版された2009年から10年の歳月を経て第6版が出版されようやくフルカラーでの掲載となりました。この5版から6版までの10年の間に核医学の分野もかなり進歩しているので、「やっと出版されたーー!やっとフルカラー!!」という感じです。

各検査での正常像・異常像が掲載されているため「この核種は何か」対策の勉強にも使えるかと思います。

日本メジフィジックス株式会社のホームページ

こちらは本ではないのですが、放射性医薬品を扱う会社のサイトで医療関係者用に核医学の読影について掲載されており、時々試験勉強で使わせていただいていました。

心筋シンチグラフィダットスキャン読影について掲載されています。

解説動画もあるようなのですが、こちらは会員登録とかが必要ということで私は利用しませんでした。

肺・縦隔

画像診断 別冊KEY BOOKシリーズ 「困ったときの胸部画像診断」

程よいページ数でよくまとまっていると評判のKEY BOOKシリーズの胸部画像診断の本です。心血管系のKEY BOOKシリーズも良書だと思いますが、こちらもまとまっていて使いやすいです。

頻出問題の肺分画症などの肺先天性奇形が連続ページで載っています。ただし頻出の肺嚢胞性疾患についてはLCHLAMについては掲載ありますが、Birt-Hogg-Dubé については非掲載。

肺嚢胞性疾患については「胸部CT」に掲載されています。

臨床画像2016年10月増刊号「放射線科医必携 単純X線写真サイン集」

レントゲンのサインがまとまって載っている本です。

胸部(小児科除く)の範囲だけで28個ものサインが掲載されています。

正直「他にもたくさん覚えなきゃいけないのにこんなにサインあるんだ…」とややへこみましたが、なかなかまとまった本が無かったので助かりました。

それぞれのサインについて、下記のようにしっかりとした説明が書かれているため理解しやすい内容になっています。

本の構成は以下のようになっています。

1.定義

その「サイン」はどういう所見のことを指すのかが書かれています。

2.臨床的意義(意味)

この「サイン」がみられることは何を意味しているのか、例えば予後不良のサインなど。

3. 解説

  • 由来
  • 画像と臨床解剖との関連
  • 鑑別疾患

*因みに一段階目の「放射線科専門医試験」でも役立つ本です。

心血管系

画像診断 別冊KEY BOOKシリーズ 「これだけは知っておきたい心臓・血管疾患の画像診断」

人気のKEY BOOKシリーズ。分厚すぎず、まとまっていて使いやすいので読影のときにも重宝させて頂いてます。

心血管の分野では特に心臓CT、MRI、核医学について使いやすい本だと思います。

心臓MRIで頻出の遅延造影パターンについてもまとまって掲載されており、心臓シンチも検査の基本知識から画像に至るまでしっかり載っているので知識もまとめやすいです。

大血管についても先天奇形についてもしっかり掲載されていますので心血管系に関してはこの本で十分でした。

核医学の心血管の範囲でも役立つと思います。

乳腺

新乳房画像診断の勘ドコロ

2020年試験まではこの本が一番US,MMG,MRIよくまとめられていたと思います。

頻出傾向の「構築の乱れ」についてシェーマを用いて解説されていたり、「石灰化」の良悪性の鑑別についてもまとめられています。

また各疾患についてUS,MMG,MRIの各画像所見についても解説されており、分かりやすいかったです。


*2021/3/30に

KEY BOOKシリーズから「知っておきたい乳房の画像診断」

が出版されています。

”勘ドコロ”と比較してみましたが、正直甲乙つけがたいなと感じました。

私見になりますが、それぞれの違いを簡単に挙げてみます。

新乳房画像診断の勘ドコロ 知っておきたい乳房の画像診断
カテゴリー分類が載っている(口頭試問の観点からも超重要) 疾患についての掲載がメイン(画像が大きく掲載されており見やすい)
MMGやUSでカテゴリー分類に重要な所見が分かりやすく説明されている

ex)”構築の乱れ”とはどのような所見のことか

2018年改訂癌取り扱い規約第18版に準拠した疾患名で掲載されている

ex)充実腺管癌→浸潤性乳管癌 充実型 など

シェーマが豊富 乳癌サブタイプに関する画像所見に関しても掲載されている。
乳房診断に慣れていない人には特におすすめ 疾患ごとの画像をしっかり見たい時におすすめ
いずれにしても、乳腺について総合的にまとまった本は現時点で上記2点だと思います。

番外編

「画像診断まとめ」のサイト

本を毎回開くのが大変な時、疾患のことについて全部ではなく一部だけ確認したいときなどにすぐに調べられるのでよく利用させて頂いていました。

まとめ

今回は分野全般、核医学、胸部、乳腺についてご紹介させて頂きました。

次回は他の分野についてもおすすめ本を紹介していこうと思います。

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