後期研修のときに、
移動中や休憩中でも画像診断を学べるサイトは無いかな~?
と思って時々そういったサイトを探しつつ、見つけてはブックマークしていました。
オンラインは電波さえ入れば「どこでも学べる」というメリットがあり、また書籍以外でも画像所見をみる経験値を増やせるため今でもよく利用しています。
今回は自分が調べた限りで画像診断を演習方式で学べるサイトを紹介させて頂きます。
この記事は以下の方におススメです。
無料で学べる画像診断サイト(演習編)
東京レントゲンカンファレンス(TRC)
関東圏の放射線診断医を対象とした「勉強会」の症例データベースが掲載されています。
発表当時はまだあまり知られていなかったり、稀な画像を各病院の放射線科がクイズ形式で出題し、指名された医療機関の放射線科医が解答するという形式の勉強会です。
このため、掲載されているのはcommon diseaseの典型例というよりは
common diseaseの非典型例、ややuncommon~rareな症例が多数掲載されています。
サイトのトップページにある「症例一覧」から演習形式で学ぶことが可能です。
各年の発表回に飛ぶと、症例ごとに簡単な主訴・既往が書かれており、「呈示」ボタンをクリックして進むと以下のようにクイズ形式で学ぶことができます。
①画像提示
CTやMRIのほか、時にレントゲンや超音波検査、PET-CTなど診断に必要な画像が掲載されています。拡大して表示することも可能。
中には個人情報等の事情で掲載されていない症例もあります。
②解説・解答
- 提示画像に関する画像所見の説明
- 鑑別疾患
- 解答
- 解答疾患の説明
- まとめ/結語
だいたいこのような構成になっています。
移動中などに見るようにしていて、実際に「お!これは前に見た画像とそっくりだ!」と読影に役立った症例もいくつか経験しております。
2020年度は新型コロナウィルス流行で中止となっていますが、2001年分から掲載されており非常に豊富な症例データベースとなっています。
休憩時間などのスキマ時間を利用して演習問題としてやってみるのもおすすめです!
急性腹症のCT演習問題
かなり有名なサイトなので言わずもがなかもしれませんが。
サイトの構成自体はシンプルですが急性腹症の問題が非常に多数掲載されています。
連続画像が並べて表示されますが、スクロールバージョンも可能。ただ、PCでスクロール画面にすると小さすぎて分かりにくいといった難点はあります。
以下のような構成になっています。
演習問題
- レジデントコース
- エキスパートコース
があり、ぞれぞれ選んで挑戦することができます。
右下腹部痛、上腹部痛etc..症状によって分類されていますので、各症状ごとにまとめて演習することができます。
放射線科専攻医以上であればエキスパートコース(例:胆嚢捻転症例や複数の陽性所見がある症例など)がおすすめですが、専攻医1年目の方はレジデントコースから始めてみるのがいいと思います。
また、解答・解説では出題画像のみでなく、参考症例として同一・類似疾患の画像も掲載されています。
応用問題
症状・難易度に関係なくランダムで画像の問題を解いていく項目です。より日常読影に近い形式といえるでしょう。
勉強寄りの気分の時は「演習問題」を、より演習に近いことをしたいときには「応用問題」で解いていました。
m3.com 画像診断クイズ
医療従事者限定の会員サイトです。登録は無料でできます。
既に30万人以上の医師が登録しているそうなので、すでに会員登録済みの放射線科医も多いかと思います。
医療系ニュースや掲示板などが有名なサイトですが、以下のメニューでは画像診断の勉強もできます。
画像診断道場 実はこうだった
毎週木曜日に出題され、翌日金曜日に正解が発表されます。
CTやレントゲンのほかに超音波検査の画像が出題されることもあります。病理画像や内視鏡画像の出題のときもありますが、放射線診断関連の画像が多いと思います。
年齢・性別、既往や主訴、検査所見のほか、解答にたどり着くための読影のポイントも記載されています。
シリーズ化されているためバックナンバーで過去の問題と解答も見ることができます。
今日のクイズ
毎日出題されるクイズ(全2問/日)です。国家試験の過去問や臨床的な問題が多いですが、時々国家試験の過去問とも違う画像診断の問題が出題されます。
難易度はやや高めなことが多い印象です。
(これ絶対放射線科医じゃないとわからなくない・・・?)
っていう問題も見かけ、解答すると他の医師の解答と合わせた正答率が表示されるのですが、かなり低いこともしばしばです。
BAYER社サイト 画像診断クイズ
放射線科領域ではイオパミロンなどでお馴染みのBEYERですが、サイトで画像診断クイズのコーナーがあります。
特徴としては問題に難易度が明記されている点です。各問題ごとに★~★★★の3段階評価されているので、「今日は難しい問題に挑戦してみよう」とかができます。
また、解答・解説ページでは出題者の先生のコメントも載っていたりしてプラスαの知識も得ることができる場合があります。
まとめ
以上、クイズ形式で学べる画像診断サイト(無料)の紹介をさせて頂きました。
教科書で学ぶ以外にもアウトプットの練習がしたい時があると思いますので、こういったサイトは画像診断医にとっては貴重ですね。
実はもう一つ非常におススメのサイトがあったのですが、誠に残念ながら閉鎖されてしまったようで…しかし敢えて書きます。
国立がん研究センターの「がん診療画像レファレンスデータベース」
さんです。様々な癌のCT、MRI画像、そして病理画像が掲載されていた有難いサイトでしたが・・・・
なんと2020年3月30日で閉鎖…泣
いつか同じようなページが復活することを勝手に願っています。