こんにちは「らじまま」です。
放射線診断専門医試験の日程が発表されましたね。
今年は2021年8月20,21日の2日間行われるようです(受験予定の方は必ずこちらで確認を!)。
しかも会場は東京ではなく「神戸」なんですね。コロナウイルス流行を考えてということでしょうが、一番放射線科医の人数が多い首都圏組の受験者は大変です。。。
しかも治療専門医試験と機構認定専門医試験まで同時開催なので、宿泊施設の争奪戦がありそうですね。
会場は神戸ポートピアホテルのようです。放射線科のミッドサマーセミナーがいつも開催されている会場なので、なじみのある人も多いかと思います。
試験方法は従来の筆記試験+口頭試問になったようです。
そろそろ試験勉強を始めようかという人も出てくる時期だと思いますが、日常業務の合間と休日を勉強に消費することになるので、少しでも効率よく勉強できるよう、今回は私が考える試験の対策と傾向についてお話していこうと思います。
試験対策の方法は?
まずはどんな問題が出ているのか確認することから始めてください。
筆記試験をまずは各分野ごとに過去5年分くらいを解いてみて傾向をつかむのが良いと思います
最終的に10年分解けば過去問での試験対策としては十分な気がします。
解く問題数が多くなるほど知識が広がったり深まりやすいと感じたので、
- 問題数が多い分野では筆記試験対策を優先し、口頭試問対策はそのあと確認。
- 問題数が少ない分野については筆記試験問題+口頭試問対策を並行して勉強することで解く問題数を増やして知識をまとめるようにしていました。
また、直近(2020年)の過去問については、新型コロナウイルスの流行で試験形態・出題数に変更が生じているため、従来の筆記の問題数は少なくなっています。
過去問は2020年度まではJRSの公式HPに公開されていたのですが、今年から「会員専用ページ」で確認しなければいけなくなったようです(ちょっと面倒になりました)。
解答は多くの人はHP「画像診断まとめ」さんの【非公式】放射線科専門医・診断専門医試験 解答例をまずは利用する人が多数だと思います。「画像診断まとめ」さんのサイトは読影においても普段からかなーーーりお世話になっていましたが試験勉強においては特に必須の存在でした(HPオーナーの”ごろ~にゃ”先生には感謝しかない)。
ここで注意事項なのですが、「画像診断まとめ」さんの解答は多くの放射線科医からの意見で作成したものでもあり、非公式なので時々解答の訂正があったり、正解がはっきりしていないものもあります。
また、専門医試験の勉強が始まる時期になると解答は訂正・更新されやすくなる傾向があるので時々確認しておきましょう。特に試験直前に解答が訂正されていることがあるので、「この解答以外にはあり得ない」という自信が持てない問題については再度チェックしておくのが良いです。
試験対策のおすすめの本については別記事に書いていこうと思いますので少々お待ちください…
*また、口頭試問の過去問に関しては問題および解答の再現性・信憑性が得られにくい点からお問い合わせ頂いても答えられませんのでご了承ください。
診断専門医試験の傾向
まずは出題分野から整理していきましょう。簡単に分けるとざっとこんな感じになります。
- 基礎:医の倫理・医療の質、医学物理学、放射線生物学・放射線防護・安全管理
- 神経
- 頭頸部
- 肺・縦隔
- 心血管系
- 肝胆膵脾
- 消化管
- 泌尿器
- 婦人科
- 乳腺
- 小児
- IVR
- 核医学
ちなみに、診断専門医試験までの行動目標となる「放射線科専門医研修カリキュラムガイドライン」ですが、なかなかのボリュームです…実は私はこれを網羅すればいいのかと思って最初はチェックしていたんですが(効率悪。。。)、最初から傾向をつかんだほうが苦手分野に割く時間を確保できるので、時間と記憶力にかなり余裕がある人でなければガイドラインベースで始めるのはおすすめできません。
難易度としては基礎>核医学>神経・骨軟部・小児>そのほか
といった感じに捉える人が多いように感じます。ただし難易度は当然個人差があるため、あくまで参考程度です。
●「基礎」はあまりにも範囲が広く、過去問との重複が少ない、通常業務ではなじみが少ない言葉が並ぶといったことから一番対策の取りにくい分野となっています。前段階である放射線科専門医試験の過去問よりも難易度が高い問題が多いと思います。(勉強しても正答率を上げにくく、少ない時間を割いてやるにはコスパが悪いと感じたので私は完全に後回しにしました。)
●「核医学」は分野別では出題数が最も多く、解答が割れやすい(割れ問率が高い)、全身にわたって核医学の知識が問われるため日頃から核医学画像に慣れ親しんでいないと診断すら難しい。
●「神経」、「骨軟部」、「小児」は出題数こそ核医学には及びませんが、専門性が高い、小児については全身性疾患が多くなじみが少ない(小児に特化した施設でなければ日常の読影ではあまりお目にかからない)といった点で難易度は高めに感じる人が多いような印象です。
要するになじみが少ない分野ほど難易度を高く感じるといった印象です。胸部や腹部はだいたいCTやMRIで常日頃から多数読影している人が多い反面、(基礎を除く)上述の分野についてはその分野独特の読影といった特殊性が出てくるので苦手としている人が多いのだろうと思います。
続いて2015年~2019年試験問題から分野別の出題比率(概ねの比率)をグラフにしてみました。***「基礎」は除いた比率です***
因みに2020年試験はコロナウイルス流行でイレギュラーな出題方法となっており、下図には含めませんでした。
また、婦人科・泌尿器・IVR、肝胆膵・消化管の問題数は年によって1-3問程度の変動があります。
このように見ていくと、難易度が高く(個人差あり)、問題数が最も多い核医学は重要な部分になってきます。特に過去問を見て難しいと感じる人は早めに取り組む方がいいと思います。
試験問題の問い方としてはやはり「診断」専門医試験なので、単純な知識というより、画像を見て診断・周辺知識を答える問題が主体になっています。
まとめ
今回は診断専門医試験対策としてまずは試験勉強の方法と分野ごとの出題数比率などをまとめました。
次回は必見の各分野(基礎を除く)における診断専門医試験(筆記試験)の頻出問題と傾向についてまとめていきます。