放射線科のQOLは高い?放射線科医だからこその悩みも

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放射線科医の特徴(超個人的見解)

放射線科医でよく聞く個性・・・というか特徴、放射線科医あるあるネタですが、真っ先に挙がるのが

漫画・アニメが好き!!

ゲームが好き!!

映像・画像関連に興味関心が向きやすい人が多い印象です。どちらも「画像」を扱うものなので親和性が高いんでしょうね。

因みに私は漫画もゲームも昔から好きです。今は育児中なのでかなりセーブしていますが。


記憶力が異常に良い人が結構いる

私自身もそこそこ記憶力はいいかなと思っていたのですが、数年前の血液検査データを覚えていたり、かなり昔の患者さんのID(7桁以上)を覚えていたり、似たような画像を見たときに「あ、これは〇〇雑誌の〇ページに似た画像が載っているよ!」と毎回教えてくれるような放射線科医が結構いて、自分が凡医であることを思い知らされる場面によく遭遇します。


コミュニケーションが苦手な人は多め

患者さんを直接診察する機会が少ないためコミュニケーションが苦手な人が他の臨床科と比べると相対的に多いと思います。


●あまり目立ちたがらない

黙々と仕事をすることが多いせいか、あまりグイグイ前に出てくるような人は少ない方だと思います。画像のことになると熱弁するけど、普段はおとなしい人が多い印象です。

*ただし、救急系の要素が強いIVR専門医師はビシッと意見を言うような人が多いかな…


●パソコンに強い人が多い

機械を扱う分野でもあるのでパソコン関連に強い人が結構います。自分で読影端末をサクサク設定したり、こだわりの自分専用キーボードやマウスを持ち歩いていたり。端末の不具合も自分で直しちゃったり。

これからAIが浸透していくとプログラミングに強い医師は放射線科を選ぶ人も出てくるようになるかもしれませんね。

妊娠出産における放射線科医特有の悩み

続いて、QOLが比較的高いがゆえに女性医師にとっても放射線科は選択肢に挙がりやすい科でもありますが、

女性放射線科医の立場から特有の悩みについてお話していきます。

それは・・・「被爆」です。

放射線科医が被爆する主な現場としては、IVR、核医学検査(注射)、(検査室内で操作することが必要な場合は)消化管造影が挙げられます。

妊娠が発覚するのは妊娠週数5週目頃からです。
つまりこの約1ヶ月の間は妊娠しているか分からない状態に当たるわけですが、妊娠中の被爆を避けたい場合は妊娠発覚よりも前に職場に相談する必要が出てきます。この妊娠する前に・・・・・被爆業務を避けることができるかというのが妊娠を考えるうえで最も頭を悩ませる問題になりました。私も、知り合いの女性放射線科医も相当悩みました。

正直なところ職場には相談しにくかったです(肝が据わっていればいいんでしょうけども…)。

というのも、
先述のようにただでさえ人手不足かつ多忙であることが分かっているからこそ、長期間に渡り戦線離脱(妊活(実際にいつ妊娠するかは予測できない)〜産休まで、もしくは育休まで)を申し出るのは非常に心苦しいと感じる、そもそも妊活というセンシティブでプライバシーなこと自体を上司に言いづらい、場合によっては上司以外の職場仲間にも周知が必要(余計な噂が立つ、不満を言う人が出てくるなど)、上司によっては理解してもらえない(拒否される)可能性がある。

このような点からタイミングを掴むのが難しいところがあります。

人手の多い職場、すぐにヘルプ要員が見込める職場(アクセスが良好な場所にある病院であれば派遣orバイトも雇用しやすい等)、さらには理解してくれる上司がいれば理想的ではあるのですが、上司も充分な医療サービスを提供し続けるという責務があるのでやはり人手確保が十分かどうかで対応が変わってくると思います。

いずれにしても将来妊娠を希望するのであれば、何が負担となりうるかは事前に把握しておくことは大事です。
自身も準備ができ、周囲への負担も減らすことが出来ると思います。

これから放射線科医を目指し、妊娠も希望する人はあらかじめ職場に確認するなど情報を整理しておくことが肝要です。

最後に

放射線科医はQOLは高いといわれてきましたが、最近はそうでもなくなってきています。QOLが良いからという理由だけで安易に選ぶのはおススメできません

「この分野が好き」というところと自分の置かれている状況、現実面と照らし合わせて進路を決めていくのが大切だと思います。どの診療科であってもメリット、デメリットがあり、20年後にはどんな状況になっているかは分かりません

また、最近よく見かける「10年、20年後も食いっぱぐれがない科」というだけで選ぶのもリスクがあると思います。多くの医師が恐れているのは’食いっぱぐれる=職を失い生活できなくなる’ということではなく、”いま現在の収入がどこまで減ってしまうのか”」というのが本来恐れていることだと思っています。

いまの仕事内容に対する労働の単価・収入が今後10年、20年も全く同等に維持できているかどうかというのはどの診療科であっても予測できません

食いっぱぐれがなくても収入が半減してしまったら、すでに資産形成などで経済的に自由な状態にある人でなければ住居・生活費・教育費などすべて見直さなくてはならなくなりますよね。

そうなると「やりがい」や「好きな仕事だから」といった内面的なメリットを自分自身で感じられているかは「医師」を続けていくうえで重要になってきます。

放射線科に限っては正直なところ、これから数年間は人員不足で多忙がピークになると思っていますが、10年後にはAIなどで需要と供給が逆転するかもしれないと感じており、後輩には「是非放射線科に!!!」とゴリ押ししづらい状況になっています…本当に「放射線科の仕事が好き!やってみたい!」という人や、AIなどのテクノロジーに興味があってそれを医療につなげて仕事をしていきたいと思っている人にはおススメです。

 

 

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